レンズを変える理由

被写体のイメージに合わせるため。

柔かいイメージにしたいときに、硬いレンズは目的にそぐわない。これは、結果が明白。

そして、硬いライティングを柔らかいレンズで撮ることもある。つまりは、光の質との兼ね合いも大きい。

(硬い光とは簡単に言えば「影がくっきりと出る光」、逆に柔らかい光とは「影のコントラストが低い光」)

以前は、レンズ前にブラックミストフィルターを付けたこともあったが、フィルターはコントラストだけでなく、解像度まで落ちるので、特に目的がないときは使わなくなった。

最新のSIGMAのARTやIシリーズは開放からとてもシャープ。Zレンズもシャープな方だと思う。

一方、中一光学のSPEEDMASTERシリーズの開放は、とても柔らかい。ライカの古いレンズ(戦中から戦後まで、モノクロ主体の写真だった時代のレンズ)も、柔らかい。暗室でプリントすると、私のやり方ではとてもプリントしやすいから重宝している。

もちろん、カメラ本体の解像度や出てくる画の特性にも関わるし、Rawの現像処理でも大きく変えられるのではあるが、私の考え方としては、撮影の時のレンズ選びで決めた方が好みの仕上がりになりやすい、ということである。

自然光で撮ることは柔らかい画にしやすいが、一方でメリハリに欠けた仕上がりになりやすいし、時間によって光の質が変わるところも好みではない。人工光源を使う理由は、結局、レンズを変える理由になっているし、光のコントロールがあってこそ、レンズの選択も活きると思っている。

猪瀬写真事務所

益子町にある猪瀬写真事務所のサイト less is more 個人様の家族写真から、各種団体のイベント等の撮影まで (作例は上記メニューの「肖像写真と家族写真」「Works」へ)

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