古いレンズを使う理由

私が使っているレンズは古いものが多い。

ライカのヘクトール(1932年)からズマール、ズミタール、ズミクロンの初期型、ハッセルならT*でないプラナー80mm、120mmと150mmはT*。古いレンズを使う理由は簡単だ。柔らかい描写が、暗室で焼きやすいからである。(もちろん、クセと呼ばれる欠点もある)

柔らかいというのはつまりコントラストが低いと言い換えて良い。ハイライトが飛ばず、シャドウが潰れないと書けば良い印象だが、解釈を間違えればそれは「眠い」描写になる。やはり、黒は締まり、白は抜けていた方が画面は引き締まる。この「柔らかい」が「眠い」にならないのが、古いレンズなのである。そして、そういったレンズで撮影したネガは暗室でプリントしやすい(私の場合。ここは人によると思う)。

現代のレンズは、解像度が高く、コントラストが高いものが多い。それも開放から。スマホやモニターの画像に目が慣れている時代がそういうレンズを求めているのかもしれないが、写真はモニターではないので、現代のレンズのような解像度やコントラストは要らないのだ、と考えている。

猪瀬写真事務所

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