暗室の話
暗室を続けている。初めて買った引き伸ばし機は20年選手になった。
暗室をやると、写真撮影の基本というか、写真が写る原理から仕組みまで確認できる気がする。思い通りのプリントをしようと思えば、撮影の時から「焼きやすいネガ」を作ることに考えが至る。1本のネガは同じ現像をせねばならないので、撮影時の露光のバラツキはコンタクトシートを見れば一目瞭然、その時のプリントの基本データを取っても、一コマずつにバラツキがあると、一コマ一コマプリント時のそれぞれの適正露出が異なるのでめんどくさいことになる。撮影時の露出が一段違えばプリント時に絞りを一段開け閉めする。二段なら二段分。つまり、撮影時の多少の露出間違いはプリント時に救える仕組みになっている。とは言え、撮影時の安定した露出は大切だ。
最近は、写場でストロボを使って撮影したネガをプリントしているので、ネガ自体は安定した露光で作れている。これはプリント時も焼きやすい。同時に、撮影時の露出を追い込んでおかねば、とも考える。
そして、暗室で作ったプリントは綺麗なのである。
昨今のプリンタが進化し、黒が黒としてプリントされるとしても、ウェットプロセスで作られたプリントとは大違いである。それは、印画紙がそもそも違うのであるから仕方ないことであるが。特に、バライタ印画紙の黒の深さと白の抜け感は好きだ。(ちなみに、インクジェットでの白は、何も載っていない=インクなしの紙の色)
暗室の話を書こうと思ったが、あっちこっち色々と書きたいことが浮かんでは消えていくので、全くまとまらない。正しい暗室のやり方、みたいなのも見聞きするが、大概はマニアックな話に終始している気がする。とにかく、暗室を経験すること、出来れば継続して暗室をやることが、写真の見方や考え方に影響するのではないか、と考えている。
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