撮影についての考え方
撮影は、被写体があってこそのものです。
私の場合、被写体を撮影者の表現行為の材料とは考えません。ゆえに、誰がモデルでも同じではないし、どこを撮っても同じ、ではありません。毎回、レンズの前の人、出来事を考えます。この瞬間、依頼者のために自分が撮れる写真はどのようなものなのか考えます。これまでの経験と場数の積み重ねに、できる限りのアイディアを盛り込み、その撮影に見合った最良の機材と技術で撮影に臨みます。一回きりの撮影、陳腐な表現かもしれませんが、撮影は一期一会だからです。
撮影は、その場所とその時にしか起こり得ない現象を写しとります。その結果は、数年後、数十年後に記録として残っています。記録は、今日のためにあるのではなく、未来の中に存在します。写真は、わざわざ言葉にせずとも、撮った瞬間以降どんなものでも全て記録になります。そして、撮らないことには残りません。人もイベントも同じです。
撮影自体に意味があります。撮影に意味を持たせるのは、依頼者の意志です。私は、その意志のお手伝いをさせていただきます。
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