曖昧な境界線
何も最近のことではないのだが、プロカメラマンとアマチュアカメラマンの境界線が曖昧になっているように感じる。
それ自体、良くも悪くもないと思うのだが、いかんせん、撮影で食べていけなくなったカメラマン(や写真家)が、アマチュア向けに動画配信や雑誌で記事を書くと、この状況を加速させている気がする。曖昧な境界線の原因の一つが、プロカメラマンや写真家自身にある、ということだ。
配信する側のプロは、プロとして仕事での撮影の立場から話をするのだが、それを見聞きするアマチュアは趣味で撮影をしている。にも関わらず、アマチュアは配信や記事で知ったプロから得た知識をあたかも自分の趣味の撮影に当てはめてしまう。そして、カメラや機材の進歩が撮影をフォローしてくれる現在、アマチュアは得たプロの知識と組み合わせて「自分でも撮影の仕事ができる」と勘違いする。となれば、そのアマチュアはその日から「カメラマン」「写真家」を名乗れる。
要は、仕事で撮影してきた人が、やたらに「あなたにも出来る」と知識と経験をばら撒くおかげで、勘違いする人が増えてしまい、限られた撮影の仕事が昔からやってるプロのカメラマンではなく単価の安いNewタイプのカメラマンに流れてしまい、結局、食えないからと知識と経験を配信してしまった昔からのカメラマンは、その配信で自分の食い扶持を減らしてる感じ。
確かに、撮影のハードルはネットで得られる知識と機材の進歩で、昔に比べて格段に下がっている。しかし、撮影するのが人である限り誰が撮ったのかの部分は如何ともし難く、やはり撮影者によって結果に差異があることは、忘れてはならない。
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