スレッズ四方山と撮影者
毎年7月8月の週末はイベントが続き、そんな夏も終わりが見えてきた。
スレッズ、開始当初から見ているが、カメラマン界隈のスレッドがたくさん流れてくる。ほとんどはアマチュアさんの感想みたいなもの。アマチュアさんがSNS等で見知った話をプロのそれと突き合わせて話すので、誤解や齟齬が激しいのが特徴な気がする。
ここ数日は、宗教施設での無許可撮影について、撮影業者?が「こっそり親戚の体で撮影すればバレません」みたいなことを堂々とブログやスレッズで書いたものが激しく炎上している。スレッドは拡散され、当該施設から警告文らしきものが出され、撮影業者に直接メールされたり、離れたところの施設では商業撮影が一切禁止になったりしている。この話に、撮影を仕事にしている人も、記事を読んだだけのアマチュアもあれこれ言っている。
この業者に撮影されたウェディングカップルや七五三のご家族は、何を思っているだろう。当該撮影者のブログやSNSに掲載されたカップルは、無許可撮影の確たる証拠となっている。自分たちの撮影が無許可で行われ、それが全世界に晒されてしまう。楽しかったであろう撮影の思い出も、もはややり直しの効かない忘れたいものになってしまっているかもしれない。
撮影のハードルは、機材の高機能化とSNS等の広まりで極端に下がっているように思われている。10年前に比べて、個人対個人しか撮れない自称フォトグラファーは増えている感がある。子供や犬猫を置いて、あやしながら撮るなら、実は誰でも出来る。本来は親が獲れる。出来ない理由のカメラがない、知識がない、しかし、そういう人が機材を買ってYouTubeを見て自称のフォトグラファーになっているのだから、親御さんが撮れないわけはない。子供の可愛い姿を写真として残しておきたい、一生に一度の晴れ姿を写真に残しておきたい。そんな想いを無碍にする撮影業者が多すぎる。
おそらく、個人対個人の撮影業者は今後減少する。飽和している。業者間の競争が単価の違いにならざるを得ず、低い単価で違いを出そうとする。それでも顧客は減らないので、大手が個人の顧客の撮影を請け負うシステムを作る(現実、スタジオ◯◯◯が始めている)。そうなればさらに単価は下がる。対個人で生き残る撮影業者は、そこでしか撮れないという何かが必要になるのだが、単に小物を並べる、衣装を用意する、綺麗なお花畑を探す、だけじゃ足りなくなるだろう。
顧客側には、業者を見極めることが求められる。気に入った料理店を探すようなものだから大したことはないが、やはり時間とそれなりの見識は必要となるかもしれない。
広く、浅く、写真業が広まった結果こうなったのだから仕方がないことだ。
結局、撮影する側は自分に出来ることに対して、誠実に向き合って仕事するしかない、ってことだ。
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